『DECOY=デコイ/囮=おとり』

囮/デコイ

 アルフォンソ・リンギス『何も共有していない者たちの共同体』と、ジャン・ジュネ「シャティーラの四時間」(『インパクション』51号、インパクト出版会、鵜飼哲訳)をテクストにした演劇公演が行なわれます。以下、長くなりますが、案内いたします。チラシをご入り用の方は、すこしですが小社にございますので、小社にお申し付けくだされば、郵送申しあげます(チラシがなくなりましたら、ご容赦くださいませ)。

モレキュラーシアター演劇『DECOY=デコイ/囮=おとり』沖縄公演

日程/2007年11月3(土=祝)日開演13:00~(マチネ40分)・開演18:30~ (ソワレ75分) 4(日)日開演12:00~(マチネ40分)の計3ステージ(開場 各15分前)
会場/沖縄県立美術館(1F 講座室)
沖縄県那覇市おもろまち3-1-1
TEL 098-851-5402 FAX 098-941-3730

主催/モレキュラーシアター
共催/沖縄県立美術館
協力/「写真0年 沖縄」展実行委員会
助成/芸術文化振興基金

『DECOY/囮』あらすじ: どんな共同体にあっても「単なる生」は侵入者/贈与と看做される。しかも交換なき贈与はすべからく違法である。拷問が行使される。衆人環視のもとで。誰にも知られることなく。拷問には囮/仮想の他者が不可欠である。その他者こそ「この私/この身体」に他ならない、としたら。――

第一場:侵入者のインペラティヴ=命法
第二場:顔貌性のアンフィニティフ=不定法
第三場:腐肉の発話・未開の発明
第四場:美には傷以外の起源はない

演出・美術・構成:豊島重之(モレキュラーシアター芸術監督)

テクスト:アルフォンソ・リンギス「何も共有していない者たちの共同体」(野谷啓二訳・洛北出版)/ジャン・ジュネ「シャティーラの四時間」(鵜飼哲訳)

出演:大久保一恵・苫米地真弓・田島千征・四戸由香・秋山容子・斉藤尚子・豊島圭佑・高沢利栄ほか 映像:佐藤英和ほか 
※3日ソワレ講師出演:鴻英良(演劇批評家・みすず書房新刊「カバコフ自伝」訳者)
※4日の15:00~同会場にて「写真0年 沖縄」展 第3シンポジウム『沖縄を展示する』が、講師:倉石信乃・翁長直樹・鈴木勝雄/司会豊島重之により開催。

『DECOY/囮』テーマ: 北のシマ=八戸の演劇が、南のシマ=沖縄で、しかも「沖縄県立美術館」開館に際して、また「写真0年 沖縄展」連動企画として、上演されることは特筆すべき出来事ではないでしょうか。
 北に住む者が南で起きていることに無関心で、また南に住む人たちは北で起きていることを知らないままでいるならば、芸術文化交流など単なる空語となってしまいます。北にも〈南なるもの〉が伏在し、南にも〈北なるもの〉の鉱脈があるに違いなく、だとすれば《北と南の遭遇》こそが、喫緊の課題として、深い危機意識をもって、しかも継続的に構想されなくてはなりません。

 北であれ南であれ、この群島=アーキペラゴにあっては、見向きもされぬ地方都市の郊外にまでグローバル化が浸透した現在、私達の「ビオス=生」は根底まで管理・監視・統制され、いわば「生―政治化」されています。「生―政治化」されていない生は、もはや「単なる生」としか言えません。
 「生の死/臨死」でも「死後の生」でもない「単なる生」。とは言え、その「単なる生」ですら連綿として地下水脈を潜行してきた歴史性の次元をはらんでいます。翻って、様々な死や生が、その幻影さえもが去来する演劇史において、こうした「単なる生」はいまだ存在した試しがなかったようにも思われます。

 北のシマで行き場を失ったかにみえる「単なる生」が、南のシマに赴く理由は何でしょうか。「単なる生」を探しに? いや、「単なる生」を失うべく? 今回の新作「デコイ=おとり」に含意された主題の実験性は、まさしくそこにあります。

主催・問合せ:モレキュラーシアター(代表高沢利栄 090-2998-0224)
Molecular Theatre
〒031-0022 青森県八戸市古常泉下14-18
入場料 1000円

演出家紹介:豊島重之 TOSHIMA Shigeyuki
モレキュラーシアター芸術監督・ICANOFキュレーター。八戸生れ・在住。東北大卒。精神科医。04年現代詩手帖4月号で故・太田省吾と吉増剛造との巻頭鼎談『渦巻く流動の相のもとに』。06年10月世田谷パブリックシアター企画制作「ベケットを読む」で、故・太田省吾演出の遺作との二本立て上演『OHIO/CATASTROPHE』を演出。論稿に『流刑地の秘書たち』『箔足のバロック』『四角いベケット』など多数。

講師紹介:鴻英良 OTORI Hidenaga
演劇批評家・ロシア芸術思想。静岡県生れ・東京在住。東工大卒。東大大学院修了。2002・03・04の三年間、ハンブルク国際演劇祭「ラオコオン」芸術監督を務める。著書に『二十世紀劇場』(朝日新聞社・1998年)。共著に『野田秀樹 赤鬼の挑戦』(青土社・2006年)。訳書にカントール『死の演劇』やタルコフスキー『映像のポエジア』など多数。07年10月みすず書房から訳書『カバコフ自伝』。

モレキュラーシアター歴: 1986年に八戸を拠点に結成。翌87年より99年まで海外12ヶ国の芸術祭に招待公演。89年に「国際カフカ芸術祭」主催・実現の成果により、主演の大久保一恵が八戸市芸術文化奨励賞受賞。95年『FOOTNOTED』が読売演劇大賞にノミネート。翌96年に『FACADE FIRM』がアデレード芸術祭に正式招待。演出の豊島重之が東京ジャーナル演劇賞受賞。2005年国際交流基金フォーラムで「ベケット東京サミット」を主催。06年10月世田谷パブリックシアター主催で『オハイオ即興劇・カタストロフィ』上演。06年11月那覇市前島アートセンター提携企画で『写真/ここになき、灰』三部作公演。07年9月八戸市美術館で『ISTHMIAN RHAPSODY』四部作公演。07年10月青森県立美術館主催で『BALLET BIOMECHANICA』公演。

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