ハーマッハー『他自律』

『他自律』ハーマッハー著

他自律――多文化主義批判のために
 この一週間……、この本に没頭してしまいました。ようやく読みおえ、そして、すこしでも多くのひとに、ぜひ読んでもらいたい本だと思いました。

 本書の紹介にかんしては「月曜社」のサイトをご覧ください。

 ニーチェ、フロイト、カント、メルヴィル、マルクス、アドルノ、ファノン、チャールズ・テイラー、ユルゲン・ハーバーマス…などの思想に言及しながら、多文化化、民主主義化というアポリア的な実践、さらに「アポリアをアポリアたらしめるメカニズム」が考察されています。

 「訳者あとがき」では、関連書籍として、デリダ『他の岬』、『友愛のポリティックス』(以上、みすず書房)、カプート編『デリダとの対話』、アクセル・ホネット『承認をめぐる闘争』(以上、法政大学出版局)があげられています(邦訳がある本では、ということですが)。

 200ページもない本です。本文もゆったりと組まれています。訳文もすごく読みやすく、また翻訳上のさまざまな工夫がなされています。だからといって、ななめ読みするような/できるような本でないことはたしかです。すこしずつ読んでいくのがいちばんかと思いました。ひとつひとつの文が考えることを強いてくる本ですので、そんなにはやくは読めないと思います。また、なによりも、急いて一気に読むのは、もったいない、そういう本だと思います。
 原注と訳注もていねいに読まれることを、おすすめいたします。 タイトル『他自律』の原語は、「他律」と「自律」を組み合わせた、ハーマッハーによる造語ですが、複数形(「諸々の他自律」)です。ここが肝心です。

 個人的な感想にすぎないのに、なんだか高所から押しつけるような文になりましたが、本書にどっぷりはまったひとりとして、やはり他のひとにも、この本を押しつけたくなったしだいです。

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