『メタ構想力』


『メタ構想力』


 木前利秋 著『メタ構想力----ヴィーコ・マルクス・アーレント』が未来社よりようやく刊行されました。

 この著者は、これまでかすかずの重要な論文を発表していましたが、いままでどういうわけか単著がありませんでした。わたしは、この著者の論考を『ハーバーマスと現代』(新評論、1987年刊行)ではじめて知り、それ以来、さまざまな場で発表された、知りえたかぎりの論考を個人的に読んできました。

 下記に目次を記しましたが、第3章から第6章までは書き下ろしです。オビのことばとして「論文集」という位置づけがなされていますが、「論文を集めた本」ではけっしてありません。弛むことのない問題意識で貫かれた一冊の本だと思いました。おすすめの本です。ぜひ書店でご覧くださいませ。

四六判・上製・316頁
定価(本体価格2,800円+税)
未来社(2008年3月31日発行)

オビのことば
他者の想像力にかんする自己の想像力、メタレベルにおかれた想像力、表象の表象をめぐって、思想史研究の逸材が縦横に論じる。ヴィーコの歴史哲学のアクチュアリティを検証し、マルクスの〈労働〉概念に〈メタ表象作用〉の視点から徹底した再検討と再構成を試み、さらにアーレントの政治の発見が不在の他者の問題性と世界概念の広がりに及ぶことを明らかにする。幅ひろいヨーロッパ思想史研究をつうじて蓄積された構想がいまようやく開示された。その実力からも長いあいだ待ち望まれた著者初めての論文集。

目 次



第一部 ヴィーコと真理の技法

 第一章 トピカとクリティカ
   第一節 真らしきものの発見術
   第二節 近代的なものと古代的なものの間
   第三節 初期ヴィーコのアポリア

 第二章 想像的普遍の諸次元
   第一節 感覚的トピカの原初性
   第二節 述語的同一化と隠喩的意味類型

 第三章 想像不可能なもののまなざし
   第一節 真理への二つの道
   第二節 哲学的文献学の地平
   第三節 家族的類似性とメタ表象能力

第二部 マルクスと労働の由来


 第四章 労働・意図・記号
   第一節 ヴィーコとマルクス
   第二節 心的表象と意図の概念
   第三節 労働の理由
   第四節 意図の形成・表現・脱人称化

 第五章 技術的知能とメタ表象
   第一節 道具と言語の「考古学的」地平
   第二節 メタ道具の形成と知能の進化

 第六章 社会的知能と時間地平
   第一節 「マキャベリ的知能」を超えて
   第二節 労働の時間的次元

第三部 アーレントと政治の発見

 第七章 「活動的生活」論のアクチュアリティ
   第一節 全体主義以後の民主主義----「活動的生活」論の射程(1)
   第二節 反プラトニズムとアイデンティティの政治----「活動的生活」論の射程(2)

 第八章 必然性と暴力を超えて
   第一節 必然性と暴力の結託
   第二節 制作の多様性
   第三節 世界と構想力----結びにかえて

 第九章 歴史の観相学
   第一節 〈ゾーエー〉と〈ビオス〉
   第二節 〈フィリエーション〉と〈アフィリエーション〉
   第三節 歴史における類似性と単独性

 あとがき

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