『女性同士の争いはなぜ起こるのか』



        『女性同士の争いはなぜ起こるのか』


女性同士の争いはなぜ起こるのか
――主婦論争の誕生と終焉

妙木 忍 著
2009年10月刊行
四六判・424頁
本体価格 2600円
ISBN978-4-7917-6503-4


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「主婦論争の誕生と終焉」となれば
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目次を挙げておきます。
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目 次



第1章 「主婦論争」 の誕生

     1 「主婦論争」 の誕生
     2 一九八〇年代以降の論争
     3 主婦論争を再定義する
        主婦の自明性喪失以前と喪失以後
        準拠対象としての主婦
     4 女性たちの共通点――比較の基盤
     5 女性と男性のあいだの非対称性と女性同士の分断
        女性間を分断する規範
        主婦の自明性喪失以後にも残る規範
     6 規範が変化しても変化しないもの
     7 女性同士の争いを読み解くために

第2章 前史としての主婦論争
     1 第一次主婦論争――主婦は外で働くべきか?
        第一次主婦論争の社会史的背景――戦後復興と家電製品の普及
        主要類型の再定義
        主婦否定論――主婦も職場進出を
        主婦肯定論――主婦の家庭役割尊重
        主婦調停・和解論――家庭の主婦と働く主婦の連帯を求めて
        主婦役割全面否定論――個人としての経済的自立を
        梅棹論はなぜ孤立したか
        市場労働と家事労働のはざまで
     2 第二次主婦論争――家事労働はなぜ経済的価値を生まないのか?
        第二次主婦論争の社会史的背景――高度成長と進む女性の主婦労働者化
        「主婦が一日サボッたら」
        無償労働の問題化――主婦労働には価値がないか
        経済学の立場から――主婦労働は無価値である
        主婦の経済的自立の具体的提案――主婦年金制
        低賃金を支えるものとしての主婦労働
        磯野説とその後の 「家事労働」 概念の再論点化
     3 第三次主婦論争――主婦の正統性を正当化する
        第三次主婦論争の社会史的背景――「主婦労働者化」 の完成を経て
        武田論の先駆としてのウーマン・リブ
        武田論の登場――主婦礼賛論
        武田論への反論
        二重負担に対する警鐘
        ライフコースと性役割の分離の前兆
        専業主婦と働く主婦の羨望度
     4 性役割規範をめぐる女性間比較
        論争契機としての二者択一論
        他者への批判か積極的自己肯定か
        主婦論争の死角
     5 既婚女性が主役だった論争

第3章 第四次主婦論争 (アグネス論争)

     1 社会史的背景――働く母親の増加
        二重負担の強化
     2 アグネス論争――子連れ出勤は是か非か?
        Ⅰ期・創出期 (一九八七年三月二〇日~一九八八年二月一八日)
        Ⅱ期・国会以後 (一九八八年二月一九日~一九八八年五月一五日)
        Ⅲ期・上野 「論壇」 登場以後 (一九八八年五月一六日~一九八八年八月二日)
        Ⅳ期・冊子登場以後 (一九八八年八月三日~一九八八年九月七日)
        Ⅴ期・中華思想説以後 (一九八八年九月八日~一九八八年一二月一日)
     3 アグネス論争をどう読み解くか
        文脈の設定――働く母親の子連れ出勤
        「公私の分離」 規範とアグネス論争
        「公私の分離」 規範と性役割規範
     4 ライフコース比較言説の登場――山口百恵・松田聖子・アグネス
        子育てをめぐる主要三類型
        争点にはならなかった百恵型
        アグネスの対比は聖子ママ
        ライフコース比較言説が意味するもの
     5 職場神聖論
        独身風をよそおう
        役割葛藤の顕在化
        仕事の厳しさと 「男の論理」
        女性による職場神聖論の支持
     6 羨望と嫉妬のあいだで――相対的剥奪感
        アグネスが 「重要な他者」 となる理由
        アグネスへの相対的剥奪感
        アグネスへの羨望
        羨望と嫉妬のあいだで
        子連れ出勤批判の根底にあるもの
     7 ねづよく残る性役割規範
        個人内葛藤から個人間葛藤へ
        アグネス論争の歴史的意義とその後

第4章 第五次主婦論争 (専業主婦論争)
     1 社会史的背景――マイノリティ化する専業主婦
     2 前史――社会学者らによる専業主婦論
     3 主婦役割全面否定論と主婦役割全面肯定論の対立
        主婦役割全面否定論――石原里紗の専業主婦論
        主婦役割全面肯定論――林道義の専業主婦論
     4 ライフコースの多様化の容認をめぐって――石原論と林論の対照性1
        女性の自己決定をめぐって
        多様なライフコースの肯定をめぐって
        専業主婦の代弁をめぐって
        ライフコースの多様化と女性の自己決定
     5 女性の自己利益の優先の是非をめぐって――石原論と林論の対照性2
        多様化する専業主婦肯定論――専業主婦の是非論から
        女性の自己利益の優先の是非と専業主婦の階層分解
        石原論は専業主婦バッシングか? 林論は専業主婦擁護論か?
     6 石原論と梅棹論
        主婦役割全面否定論の再来――梅棹論との共通点
        主婦に経済的自立を求めず――梅棹論との相違点
        経済的独立を争点としなかった石原論
     7 第六次主婦論争への助走
        石原論と酒井論の共通点
        石原論が残したもの――性役割への疑問
     8 石原論の歴史的意義と盲点
        専業主婦の階層分解と均質性――「自己犠牲」 への視点
        石原論の盲点
     9 専業主婦の階層分解を目前にして

第5章 第六次主婦論争 (「負け犬」 論争)
     1 社会史的背景――広がる女性間の経済階層格差
     2 論争者のいない論争
        逆説的な自己肯定
        なぜ争いにならなかったのか――三つの理由
        「負け犬」 論争が 「論争」 である理由
     3 規範が失われた論争
        メディアが構築する対立軸
        ライフコースモデル――高まる 「勝ち勝ち犬」 モデルの価値
        変貌する結婚観
        生活を変えたくない 「負け犬」 たち――「保存」 型結婚アドバイスの登場
        願望と規範の大きな差
        規範が失われた論争とは何だったのか
     4 「勝ち犬」 と 「負け犬」 の共通点
        「負け犬」 論争の効果――「負け自慢合戦」
        「負け犬」 と 「勝ち犬」 の共通の基盤
        「勝ち犬」 の肩身の狭さ
        「勝ち負け」 調停論をこえて
     5 「負け犬」 論争がもたらしたもの
        失われゆく性役割規範――第一の論点
        繰り返される女性間の比較とその変容――第二の論点
        選択肢の一つに過ぎなくなった結婚――第三の論点
     6 「ありのまま」 を肯定して生きる

第6章 主婦論争の通時的分析
     1 主婦論争のまとめ
        論争の領域
        規範の種類
        論争契機
        論法
        断絶のずれ――三つの断絶
     2 第一の断絶――準拠対象の変容(第一次~第三次、第四次~第六次)
     3 第二の断絶――争点となる規範の変容(第一次~第五次、第六次)
        争点としての性役割規範
        争点としてのライフコース規範
     4 第三の断絶――女性の意識の変化(第一次~第四次、第五次~第六次)
     5 主婦論争の断絶から見えてくるもの
        第一の断絶と第二の断絶の時差
        第三の断絶と第二の断絶の時差
        主婦の普及期と衰退期の共通性
     6 女性同士の争いがくりかえされるのはなぜか
        排除された論点
        結婚と出産をめぐる認識の変貌
        女性カテゴリーの再生産
     7 新たな問い――規範解体以後も終わらない論争

第7章 主婦論争のゆくえ
     1 ライフコースの多様化 「以後」 の主婦論争
        準拠対象から遠ざかる主婦
        性役割規範が争点となる論争は終焉したか?
        「負け犬」 論争は主婦論争といえるか?
     2 女性間を分断する規範のゆくえ
        特定のライフコースが規範化されない時代を迎えて――変貌する結婚の位置付け
        規範の復活はあるか、規範の維持はされるか
        男性の家事労働を組み込んだ論争、女性同士の世代間の論争
     3 女性同士の争いはどこへいくのか
        調停はしない
        論争の変容、論争の不変
        社会史的背景とともに移り行くと予測される女性同士の争い


参考文献
引用一覧
あとがき
索引


[著者]
妙木 忍(みょうき・しのぶ)
1977年高知県生まれ。高知大学教育学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程・博士課程修了。博士(社会学)。専門はジェンダー研究と観光研究。2006年度北海道大学観光学高等研究センター学術研究員。現在、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所ジュニア・フェロー。主な共著として 『新編 日本のフェミニズム 3 性役割』(岩波書店、2009)、『観光の空間』(ナカニシヤ出版、2009年)ほか。
 
 
 
 

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